ちびくろサンボと虎たちのバターになる日
昔々、ある暖かい国に、ちびくろサンボという小さな少年がいました。サンボにはヨンボという弟がいて、二人はいつも一緒に遊んでいました。
ある日、サンボはヨンボとジャングルの中を散策していました。彼らは鳥の鳴き声を聞きながら、花や木々を楽しんでいました。しかし突然、4匹の大きな虎が現れたのです。サンボはヨンボにすぐに木の後ろに隠れるように言いました。自分は虎たちを引きつけて遠くへ誘うことにしました。
ヨンボが安全な場所に隠れると、サンボは虎たちの注意を引くために、大きな木の周りをグルグルと走り始めました。虎たちはサンボの後を追いかけ、一緒に木の周りを回り始めました。
サンボはどんどん速く走り、虎たちもそれに応じて速さを増していきました。不思議なことに、彼らが速く回るほど、サンボと虎たちの体からはバターのようなものが滴り始めました。ぐるぐると回り続けるうちに、サンボと虎たちはすっかりバターに変わってしまいました。
ヨンボは兄の勇敢さに心を打たれながらも、木の後ろからそっと様子を伺っていました。やがて、バターになったサンボと虎たちを発見し、涙ながらにその場を後にしました。
ヨンボは家に戻り、お母さんにすべてを話しました。お母さんは悲しみながらも、ヨンボが持ち帰ったバターを大切に扱うことにしました。二人はそのバターでパンケーキを焼きました。このパンケーキは、サンボの勇気と兄弟への愛を象徴するものとなりました。
そのパンケーキを食べるたびに、ヨンボとお母さんはサンボの笑顔を思い出しました。サンボはもう元の姿には戻りませんでしたが、その心と勇気は家族の中でいつも生き続けているのでした。そして、この話はジャングル中に広がり、サンボの大胆な行動と深い愛が語り継がれることとなりました。